2008年04月07日

7月東海北陸道全通、車・人で白川郷満杯か

 7月の東海北陸自動車道(小矢部市−愛知県一宮市)の全線開通を控え、沿線の世界文化遺産「白川郷」(岐阜県白川村)で、飛躍的に増えることが予想される観光客の受け入れが限界を迎え、かやぶき屋根が残るのどかな農村のたたずまいが破壊されかねない危機に直面している。一方、同じ世界文化遺産登録された相倉、菅沼合掌集落のある五箇山(南砺市)ではむしろ、全線開通を機に五箇山の文化をアピールし、観光客を積極的に受け入れていく考えだ。

 「正直、ふたを開けてみないとどれくらい増えるか読み切れない」。白川村の板谷孝明産業課長は、開通後にどれくらい増えるか見通しが立たず、十分な対策が打ち出せない実情を明かす。五箇山観光協会の関係者も観光客動向について「全線開通してみなければ分からない」と言う。

 山あいの集落だった白川郷は、世界遺産になって観光客が倍の年間約140万人に。観光シーズンのピーク時には1日約1万人が訪れる。五箇山にも年間約70万人が足を運ぶ。

 7月に岐阜県北部の飛騨清見−白川郷インターチェンジ間(25キロ)が開通すると、関東圏からのアクセスが容易になる上に、県内有数の観光地高山市から足を延ばしやすくなる。白川郷インターから合掌集落まではわずか4キロ、車で10分程度だ。

 五箇山の菅沼集落は五箇山インターチェンジから約1.5キロ、相倉集落は同インターから約14キロの距離にあるが、今のところ、観光客受け入れに限界を唱える声は出ておらず、観光協会関係者は「合掌集落や民謡、報恩講料理など五箇山ならではの文化をアピールしていきたい」と全線開通を前向きにとらえる。

 白川村はこれまで駐車場増設で対応してきたが、集落周辺にはほとんどスペースがない。現在は観光バスと乗用車用合わせて約800台分だが、ゴールデンウイークなどには駐車場の空きを待つ車で合掌家屋の立ち並ぶ村道が埋め尽くされ、雰囲気を壊しているとの苦情が出るほど。

 すでに合掌集落ライトアップの時には観光バスの完全予約制を実施しているが、村は「テーマパークでもないから一般車両への適用は難しい」と頭を抱える。

 村は当面、休日には小学校のグラウンドなどを臨時駐車場にして約300台分を確保して対応することを検討。村は「これが世界遺産の許容できる限界。無理に駐車場をつくってまで観光客を受け入れるつもりはない」(板谷課長)と強調。これ以上の受け入れ態勢はとらない方針だ。




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